関西へ越してきて

武田薬品工業(株) 辻畑 善行(46回生)

 

 私は20023月に九州大学大学院薬学府免疫薬品学教室を卒業後、就職のため関西へ越してきました。福岡に9年間住んでいたこともあり、荷物をまとめ、福岡の下宿を離れるときは、大学時代の生活の中で出会った人たちを思い返し、感傷にひたる一方、新天地での生活に期待と不安を抱いておりました。関西での新生活がはじまり、私は社会人としての第一歩を踏み出しました。はじめに実施された新人研修では、多くの同期と出会い、さまざまなことを語りあいました。どのような大学生活を送ってきたのか、どのような経緯で会社に就職したのか、今日の研修はどうだったかなど、話す話題は尽きませんでした。短かった新人研修が終わり、その後研究所に配属され、いよいよ新たな研究生活がスタートしました。現場では先輩方の仕事のはやさ、正確さにまず驚かされました。この業界は先取りしてなんぼ、仕事の遅いやつに先取りなどできるはずがないと身をもって教えられたような気がします。また「世の中のくすり」が、どのようにして作られるのかを目の当たりにして、長い年月と経費、そしてなにより多くの人たちの多大な努力によってなされるものであることを実感させられました。新薬の開発はゲノム創薬といわれる現代においても、困難を極めるものであり、ほんの一握りの製品だけが生き残るにすぎないと感じました。

 会社にもようやく慣れてきた9月、九大薬友会関西支部総会に新入会員としてお招きいただきました。私を含めて10名の新入会員が参加し、一言ずつ決意を述べた後、おいしい料理とお酒をいただきました。支部長はじめ幹事の皆様、本当にありがとうございました。久しぶりに会えた先輩や後輩、また久しぶりではないけど会えた大塚君や石橋君と楽しく歓談することができました。ただ、少し残念だった点は、年配の方々とあまりお話することができなかったことです。私自身、饒舌ではないため、つい躊躇いがちになってしまい、お話する前にあっという間に時間がきてしまいました。支部総会の目的は「会員の相互の連絡と親睦の向上」となっており、世代を超えた交流は総会の重要な意義の一つだと思うのですが、残念ながらそれを達成できずに終わってしまいました。来年もおそらく参加することになると思いますので、その時はぜひとも積極的にお話をしたいと思っております。

 最後に私自身のプライベートな報告並びに謝辞を申し上げます。私は20029月に結婚いたしました。式では恩師の井本先生をはじめ、植田先生、会社の上司、大学、高校時代の友人等多くの方々のご祝福を賜りました。おかげさまで、平穏な家庭生活をおくっております。皆様本当にありがとうございました。これをもって本文を締めくくらせていただきます。